中古を買ってリフォームにシフト

当会の事例では、8年ほど前から「中古マンションを買って入居前に大掛かりなリフォームを行う」ご相談が増えてきました。
2006年ころは、年間30件程度でしたが、現在では年間で80件を超える勢いで増加しています。

中古マンションの魅力

最近の新築マンションは都心部の物件では高額すぎて手が出にくく、かといって湾岸エリアの埋め立て地に林立する新築高層マンションは震災による液状化現象や上層階の大きな揺れなど生活基盤となる住宅としては一抹の不安要素が残ります。

一方で、ユーザーにとって中古マンション購入の魅力は、利便性に優れた希少な立地条件や手ごろな価格で入手可能なこと、さらには、実際に購入する物件の現物を見て・確かめてから購入できることなどです。

こういった市場背景から、首都圏では築20年を超える中古マンションの流通量は年々増加傾向にあります。

首都圏の中古マンション流通量(経年別の流通比率)

 

「出典:東京カンテイ」

さらに全国的に見ても新築の住宅着工件数は年々減少傾向をたどりる一方で、住宅流通シェアの推移の中で既存住宅流通戸数は徐々に増加し続けています。

それでもまだまだ14%前後

既存住宅流通が活性化し中古を買ってリフォームにシフトしつつあるとはいえ、それでも欧米諸国と比較すれば、その流通量は米国の1/6、英国の1/7にとどまっています。現在の日本では中古住宅の取引件数は年間20万件程度であるのに対して、なぜ欧米諸国は500万件以上の中古住宅が取引されるのでしょうか。

 住まいの手入れが生活価値を向上させる

欧米諸国の住宅は定期的にDIYやリモデリングによる大型リフォームにより適切にメンテナンスされています。したがって、耐久消費財扱いされる日本の住宅資産価値評価と違って中古住宅流通の活性化はリフォーム実施率の拡大につながり、リフォーム実施率の活性化は中古住宅流通の拡大につながるという一体の市場になっています。今後、日本の良質な住宅ストックの形成と将来世代へ住み継ぐ家を実現させるためには、住宅をキチンと手入れし生活価値を上げながら長く大切に使うためのリフォームを行ったうえでどうやって既存住宅の流通量を拡大させるかが重要になります。

リフォーム会社ができること

日本の中古住宅流通が活性化しにくい理由として「他人が使ったお古はイヤ」という概念がありますまた、「建物の資産価値はゼロになる」といった現行の住宅評価制度や、そもそも物件の価格設定や仲介手数料の根拠などが不明瞭といった流通システムの課題も存在しています。しかし、あえて中古住宅購入を選択し、購入後にライフスタイルに合わせたオリジナリティ溢れる「自宅」にリフォームするユーザーも増加しています。こういう時代に即したリテラシーの高いユーザーに対して、今リフォーム業界で最も求められる資質が「業務品質管理」であると思います。

第三者の視点と自社の課題改革

専門的で多分野にわたる住宅リフォームの設計施工に関して、大多数が素人であるユーザーに対し、たとえば「第三者による工事検査」や「第三者機構への住宅履歴情報の登録」あるいは「自社の設計監理や施工管理業務」の充実を図るなど「安心・信頼」を提供するための具体的な行動が求められています。