リフォームに「かけるべき費用」と「かける必要のない費用」

「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に使う」という国策が打ち出され、住宅リフォームによる既存住宅の長寿命化や省CO2化が加速度的に普及しつつあります。一方で、住宅の生活価値を上げるために「断熱」や「遮音」、「インフラの更新」といったリフォームを行うとなると、工事の規模が大きくなり、連動して多額の工事費用がかかります。大事なポイントは、マンションの経年によっては、「かけるべき費用」と、「かける必要のない費用」があるということです。

リフォーム費用の目安

経過年数が15年未満のような、いわゆる「築浅物件」の場合は、設備機器の部品交換や最小限の表層張替程度の工事範囲に留めておき、今使える設えを最大限に活用し、リフォームに費用をかけないことがお薦めです。経過年数が25年を超える中古マンションの、専有部分リフォーム工事で長寿命化、省CO2化を実現するためには、スケルトン・インフィルの思想に基づいた大型なリフォーム工事(当会ではリノマンション)として取り組む事になり、一般的な表層リフォーム工事とは異なる工事金額の費用配分をチェックするテクニックが要求されます。

専有部分リノマンション工事費用における各種工事の割合目安

本物件は築28年の中古マンションです。
現況の3DKをスケルトン状態に撤去解体して、1LDK+クロゼットに再生する「リノマンション」です。

改修前                    改修後

約1200万円の工事費総額を各種工事の費用配分に集計し直し、グラフ化してみました。

過去実績と照合した場合、専有面積や家族構成が異なったとしても、居室別、工事種類別の金額比率はほぼ同様の傾向になります。

特に主要構造部の工事費や、配管配線工事、断熱工事などの主要インフラにかかる費用は普遍性が高く、専有面積の大小に左右されにくいのですが、浴室やキッチンなどの住宅設備機器あるいは床・壁・天井仕上げ材など、選ぶ表層材によって価格変動の幅は非常に大きくなります。
この物件では、上位機種の資材・アップグレードの建材を採用したため標準的な機器・仕上げ材を採用した場合に比べて6万円/平米当たり増加しています。

 大型リフォーム工事にかける費用

今、世の中ではマンションのスケルトンリフォームに掛ける費用に、二通りの価格設定がなされています。パッケージ化された、いわゆる「定価メニュー」の低価格リフォームと、住まい手のニーズやライフスタイルにマッチングした「オーダーメイド」の高価格リフォームの二種類です。低価格は、単一の物を大量に作ることで実現します。そこでは、「画一的な製品を作る」という行為が主体となるため、拘りを実現するといった要望に手間と時間をかける事は省かれます。

手っ取り早くソコソコの家を手に入れる「定価メニュー」と、注文住宅の施主として自分仕様に拘りながら家づくりに取り組む「オーダーメイド」、どちらを選ぶかはご本人の考え方次第です。