リフォーム店に「行列の出来る店」は似合わない―B級グルメに学ぶ
◇「行列のできる」弁護士事務所やラーメン店、外食店、デパ地下の惣菜売り場などが世間の憧れらしく、
ワイドショーなどTV番組で人気を呼んでいる。
駅の列車待ちでならぶ以外に、ふだん行列とは無縁の筆者が、
9月の連休中の雲一つない炎天下(30度を超える猛暑日)に11時から3時までたっぷり延べ4時間もの行列を体験した。
◇筆者の行列の先は、今やメジャーにもなった感のある、
B級グルメの実力を競う『B1グランプリ』の会場。場所は神奈川県央の厚木市。
まず入場に必要なチケットを買うのに約1時間列に加わる。
首尾よくチケットを買い入場すると、今度は目当ての各屋台の長い列の尻尾に付く。
1か所あたり都合30分から1時間待ちだが、閉会近くの3時になっても駅から延びる行列が長々と続き、
新たな入場者が衰えない。
「B級グルメ」のキーワードは「安くて美味い」で焼き鳥、鳥モツ、カレー、うどん、ラーメン、焼きそばなどが素材。
値段も300円から500円だが、子連れの若い夫婦やカップルなどの若者が目立つ。
当日のマスコミのフォローも、半端でないが、10月になっても地上波TV放送のNHKはじめ
各民法がグルメの会場とともに、トップのグランプリから準グランプリまで紹介。
その宣伝効果はすごい。今でもマスコミのTVのワイドショー番組が、
今年のグランプリの甲府市の鳥もつ煮込みの店追っかけるなど、準優勝以下の各地も回って紹介している。
今、B級という庶民向けの身近なグルメに、全国が沸いているのだ。
◇ところで、リフォーム店での事情はどうか?「行列のできるリフォーム店」でネット検索した。
ヤフー検索で7500件の件数がヒット。
あるリフォーム店の行列を誇示する業者の社長ブログ
「チラシを持って住宅街回りをしたのは当初だけ。紹介や口コミによって引き合いが続き、仕事の切れ目がなくなった。
それも500万円~1,000万円の増改築がメイン。
1年目の売上げは、約5,000万円。2年目には1億円に迫る勢いで、1年先まで予約でいっぱい。お客様がお客様を呼ぶ状態になって『行列のできるリフォーム店』と言われるまでになった」と。
だが、リフォーム業を見てきた経験から、こういう簡単な成功譚には俄かには同意できない。
◇それで他のリフォーム店をアクセス。「行列ができるということは、自分の店の都合でお客様に待ってもらってる。
ラーメン屋さんならば、待ってでも食べたい。それは『ここのラーメンおいしいよ』と口こみで前もって情報があり、『今すぐ食べなければ死んでしまう』など急を要していない、から待っている。
だがリフォームは、『今月中に引っ越したい。風呂が壊れたから、すぐ直さないと困る』など、期限付きで急を要している場合がほとんどで、『行列のできるリフォーム店』とはおかしい。
やっぱり、お客様のご要望に可能な限りお応えし即座に対応し、これからも行列をつくらないよう、さらに体制を整えます」と反論。
この論に筆者は賛同したい。
当該リフォーム業が単に物売りではなく、お客さん毎に異なる一品生産のモノづくりの産業であり、
さらにサービス業的なキメ細やかさも要求される。
リピーターが付くまでに、数年は掛かるのがリフォーム経営の常識だ。
参入2~3年で売上倍増が達成できるほど甘い業界ではない。
大衆的なリフォーム店で、客待ちの列は「顧客不満足」になりかねない。
住宅産業界で、新築に比べるとリフォームは常にB級と思われてきた。
当業界でB級グルメ相当に全国が沸かせるには、企業各自の地域での農耕的な粘り強さの裏付けと、
悪徳の出現を許さない業界全体への信頼性が不可欠だ。
良質リフォームの会の設立当初からの思いとも一致する。

- >事務局長 末吉 正浩
2010年10月12日































