ものづくりの魅力

できるだけ手間をかけず効率的に利益を上げられる「お金がすべて」という業界から見れば、私たちが属する建設業のように「異工種を取りまとめ」「額に汗して現場で家造り」という仕事は非効率的で古臭い業界だと思われるかもしれません。中古住宅を取り巻く業界でも、住宅リフォーム業の仕事より中古流通の仲介業のように、お金や情報を右から左に動かして短期間に利益を上げられる仕事に注目が集まります。それでも、私たちが「住宅リフォーム施工」をやめない・やめられないのは「人から感謝される仕事」だからです。日々の暮らしに必要な衣食住に関わる業界で、高い志をもって「ものづくり」に取り組めば、人から感動され、必要とされ、感謝されるからです。

 ものづくりのプライド

「なんとしても期日までに完成してほしい」とか、「愛着のある家財を転用してリフォームしたい」とか、「限られた予算の範囲内で実現したい」など、住宅リフォームでは、さまざまな状況に直面します。それでも、終わってみればよくぞ造れたものだと我ながら感心します。そこには、依頼者の意図をくみ取ろうとする姿勢、プロリフォーマーとして積み上げた実績に裏打ちされた提案力、制約や課題を解決するために粘り強く調整する交渉力、20職種以上に及ぶ職人達の技術力を最大に発揮させる現場力などが必要とされ、それらを結集して完成させたからこそ感謝されます。常々感じていることですが、社会人としての「シアワセ感」は、どれだけ自分たちが必要とされるか、そして感謝されることによって得られるものだと思います。大袈裟な言い方になりますが、住宅リフォームで生活価値を上げるという「社会的使命感」がなければこういった様々なニーズに正面からがっぷりと取り組むことはできません。お金を稼ぐためだけの目的で働けば、共感や感謝を得ることはできないし「シアワセ感」を実感することもないと思います。社会的使命感が「ものづくり」のプライドを支え、社会参加する意味を肌で感じさせてくれます。

ものづくりの現場力

住宅リフォームは着工までに何回も打ち合わせを行いながら、決定した内容を図面化し、その設計図書を基に積算見積もりが行われ、正式に請負契約を締結した後、着工に向けての様々な準備を行います。
ここまでが全体のおよそ40%程度の業務です。
着工から竣工までの期間は専門工種の職人達によって「現場生産」が行われ完成納品されます。住宅リフォームの60%は「現場生産」によるものづくり作業です。世の中は経済性や合理性を優先する「大量生産品」や、マニュアル化、パッケージ化された形式的なサービスで溢れています。残念ながら、私たちが属する「住宅流通業界」や「住宅リフォーム業界」でもそういった傾向が主流です。しかし、ストック重視の時代を迎え、古くなった住宅の生活価値を上げるリフォームを行う場合には、規格品の新築住宅を購入する場合と異なり「こだわり」や「オリジナリティ」にあふれた注文住宅に相当する家づくり力が必要とされます。様々な経緯で決定した住宅リフォームの設計が完了し、ひとたび現場着工となれば「他の追随を許さない」、依頼者からの大きな信頼感を得られるように専門工種の職人たちが、商売っ気は抜きになり、採算を度外視しても「良質なもの」を造ろうと腕前を発揮します。表舞台にはあまり登場することはありませんが、劇的ビフォア・アフターの裏側ではこういったプロ意識に満ちた職人気質の「ものづくり集団」が現場で大活躍しています。